閲覧いただきありがとうございます。
この記事では公認会計士試験に「働きながら」「独学で」「5→8」で公認会計士試験に受かった私の経験を基に、社会人受験生や、5⇛8(※)受験生向けに、限られた時間で論文式試験合格する勉強方法をお伝えすることを目的としております。
(※)「5⇒8」とは5月短答式合格⇒その年の8月の論文式試験に合格することを指します。
この記事では、短答式試験にフォーカスしていないことを予め断っておきます。
(また別の記事で書く予定です)
私の簡単な自己紹介はこちらを参照ください。
以下から述べる考え方は全員にとっての最適解ではありませんが、
効率的に合格するためにはある程度必要な要素が盛り込まれているかと思います。
ですので、「こういう考え方もあるんだ」程度に見ていただき、
ご自身にとって使えそうなものだけを取り入れて見てもよいかと思います。
なお参考までに、
私の勉強時間は、平日2時間/日&土日7時間/日の計25〜30h/週でした。
では早速参りましょう。
【超効率勉強法〜3つの基本方針〜】
私の場合は5月の短答式試験後に論文式試験の学習を始めたので時間が論文式試験の勉強を3か月で対策せざるを得ませんでした。
そのため、大前提として、勉強する教材をかなり絞りつつ、コスパの悪い分野や論点はすべて捨てました。また、隙間時間を活用するためにも、問題は基本解かずにすぐに答えを見て理解することを徹底しておりました。
私の論文勉強の基本方針は以下の通りです。
計算問題の演習はしない(財務会計・管理会計)
5⇛8の間の論文式対策期間には、財務会計と管理会計の計算科目は一切解きませんでした。
理由は、以下2つです。
①計算問題は大問一問解くにも最低1時間以上かかってしまい、まとまった時間が取りづらい社会人にとって勉強し辛いこと(隙間時間を有効に使えない)
②勉強時間の割に点数が伸び辛いこと。
そのため、計算については、
定期的に、問題と解答を見て知識のメンテナンスをする程度に留めました。
時間を測って問題を解いたのは、模試だけです。
その代わりに、短答式対策の時から計算問題は総合問題を中心に解きました。
短答合格する計算力があれば、論文の計算に力を入れる必要はないでしょう。
短答対策の段階で、総合問題の対策を終えておくことが望ましいです。
(使っていた教材は別記事で記載します。それだけやっていれば大丈夫かと思います)
また、本試験を終えた後の感想ですが、
あの本試験の独特な緊張感、3日間もの長期戦の中では、簡単な計算問題であっても、一問もケアレスミスをしない方が難しいです。
実際私も財務の本試験で、あり得ないくらい簡単な計算ミスを2個しております。
そう考えると、難しい計算問題まで解けるようにしておくよりは、
簡単な問題(皆解きなれた問題)を確実に解ける方がコスパは断然よいかと思います。
答練は解かない
答練は、アウトプットの練習としては非常に有用だと思いますが、
私は以下の2つの理由から答練を解きませんでした。
①そもそも解く時間がない(理由になっていない笑)
②重要度の低い問題も一緒に解いてしまうこと
1回の答練で2時間要しますが(復習いれたらその倍くらい?)、
この2時間で解いた答練の全部の論点を、最終的に覚える訳ではないでしょう。
答練の中にも、きっと捨て問だったり参考問題みたいなのが多少は散りばめられているはずですから、そういった問題を解いたり理解している時間はない訳です。
であれば、始めからテキストのみで(※)で理解する方が効率がいいと考えました。
(※)この記事でいう「テキスト」というのは、いわゆる、論文対策問題集のことと思っていただければと思います。使った教材は後述してます。
また、私はテキストに記載しているA・Bランク以外の問題は解かない(覚えない)と決めておりました。
理由は、
試験本番中の「解く問題と解かない問題の取捨選択の精度を高めること」です。
簡単にいうと、捨て問かどうかの見極めです。
私の場合、「テキストに載っているA・Bランクの論点かどうか」という非常にシンプルな基準を以て、本試験の問題に対する取捨選択を行っていました。
もし答練の問題にまで手を広げて、
テキストには載っていないorCランクの問題を中途半端に吸収してしまった場合、
これらの問題は得点できるか怪しいにも関わらず、
本試験において「これは見たことあるから解かないと、、」と誤った判断を下してしまい、結果自滅してしまうかもしれません。
予備校は、「答練に出した問題が本試験に出題された」とよく謳っておりますが、ボリューミーな答練を解いていれば、数問くらい当たる方が当たり前だと思います。
答練に出題されたからといって、その答練を解いた受験生全員が解答できるとも限りません。
むしろ、全部の答練を完璧に復習出来ている人は少ないのではないでしょうか。
そうであるなら、
「テキストのABランクの問題だけを完璧にして、それ以外の見たことない問題が出たら、皆もできないだろうからすぐに捨てて次の問題に行く」と割り切った方が本試験中のパフォーマンスがグッと上がると私は考えました。
なお、租税法と経営学に関しては答練を解きました(正確には読みました)。
これは、計算問題の感覚を掴むためです(どんな問題がでるのかはテキストだけだと把握できないと考えたため)。ですが、時間を図っておりませんし、考えもわからなければ、すぐに答えを見てinputしました。租税法も経営学も、答練の理論部分は実際には解かずに、すぐに解答を読み理解に徹しました。
理論の暗記は後回し(理解に徹する)
理論の勉強する際に意識していたことは、
理解を最優先すること、そして、解答精度を上げるのはなるべく試験直前にする(暗記は後回しにする)ということです。
理由は、記憶の維持にかける時間を減らす、ためです。
例えば、財務理論について、
6月中にAランクの論点であればスラスラ言える程度まで覚えたとします。
そうすると、7月・8月は、このレベルを維持するために定期的に時間を費やさなければなりません。
もちろん、時間があれば、長期記憶にもつながるので、その方が絶対にいいです。
ただ、5⇛8だと新たに覚えることが多すぎるので、
一度完璧に覚えたものの精度を維持するために費やす時間はありません。
そのため、私の場合は、8月中旬くらいまでに
「理解しているけど、解答精度は5割にも満たない」レベルまで持っていき、
(つまり、文章を必死に覚えるような作業はせずに、論理構成を完全に理解するまでひたすら読みまくる。こうしていると、自然と大事なキーワードくらいは覚えます)
最後の追い込み期間で、
「キーワードは絶対抑えつつ、7〜8割の精度で文章がかける程度に暗記する」レベルに持っていきました。
ギリギリまで暗記しない、というのは勇気が必要でしたが、結果として功を奏しました。
なお、理論の勉強法の効率化のコツは、実際に解答を紙に書かないことです。
書くだけで時間かかりますし、書いたら覚えるようなものでもありません。
(もちろん頭の整理がてらロジカルフローをメモ程度に書くのは良いと思います)
私の場合は、見えない相手に向かって頭の中で説明する、ことを繰り返して、
理解&暗記するようにしました。
【まとめ】
ここまで読んで下さってありがとうございます。
まとめると、
「皆が解ける典型論点をしっかり取れば合格できる」という非常にシンプルな法則を信じ、それに基づいた勉強をしただけです。
これが真理だと思います。
手を広げすぎず、合格するために必要な知識だけを吸収する。
どれかテキストを決めて、それを完璧にこなすことが、合格への近道なのでしょう。
もちろん、本試験では見たことない問題も当たり前に出てきます。
そういう問題に対しては、以下の思考プロセスで対応して下さい。
①自分がやってきた知識を応用すれば必ず解けるはずだ!
②①と思ったけどどうしても解けなさそう。こんな問題皆も分からないから捨てる!
テキストのABランクに出てこないような問題は、他の受験生も見たことないでしょうから、出来なくても「基本」問題ありません。
しかしながら、一見見たこと無いだけで、少し考えれば基礎知識を少し応用してしまえば対応できることもあります。
そのため、まず①の思考で問題にぶつかることがとても大事です。
見たことない問題だからと言って「すぐ捨てる」あるいは「焦ってしまう」ことの予防になります。
ただ、考えすぎで泥沼にはまらないよう、予め時間を決めておくことです
(5分考えて分からなければ、「皆で出来ない」と切り替え、次の問題へ映る)
こうした問題も得点することで科目合格や偏差値60超が可能になるんだと思います。
(私は、Cランクの問題は一切覚えませんでしたが、結果として科目合格は3科目ありました。)
以上、ここまで閲覧いただきありがとうございました。
別記事で科目別の合格方法を記載しますので、そちらも読んでいただければ嬉しいです。
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