USCPAか日本の会計士か?ダブルライセンス保持者が語る、目指すべき資格の選び方

私は、日本の公認会計士資格とUSCPA(米国公認会計士)の全科目合格を達成しています。

両方の立場を経験しているからこそ、「どちらを目指すべきか?」という問いに対して、現実的で納得感のある答えをお伝えできると考えています。

資格取得を考えている方、キャリアに悩んでいる方にとって、進むべき道を考えるヒントになれば幸いです。


✅ 資格取得に意味はあるのか?

まず前提として、私は「資格そのものの価値」は年々下がってきていると感じています。特に日本においては、資格を持っているだけではキャリアの優位性は限定的です。

それでもなお、資格取得には以下のような意味があると考えています。

  • 自己肯定感が上がる(社会的な信用が得られる)
  • キャリアパスが広がる(特に未経験からの転職に有利)
  • 頭を使う訓練になる(PDCAを回して試行錯誤する力が身につく)

資格試験に必要な暗記は、正直なところ業務ではあまり活かされない部分も多いです。

しかし、「いかにして限られた時間で効率的に合格するか」を考え抜き、実行する経験は、間違いなくその後のキャリアや仕事の質を高めてくれます。


🎯 資格選びの前にやるべきこと

大事なのは、「自分がどんな働き方・キャリアを望んでいるのか」「自分の強みや今の立ち位置はどうか」を冷静に整理することです。

たとえば、「周囲が資格を取っているから」「とりあえず転職に有利そうだから」という理由だけで動くと、学習の途中で挫折したり、せっかく資格を取っても思ったようなキャリアを築けなかったりする可能性があります。


💡 結論:この2つの軸で判断しよう

資格選びで最も重要な判断基準は、以下の2点です。

  • 将来的に税理士業務や監査業務で独立したいか
  • 監査法人でパートナーを目指したい

このどちらかに当てはまるなら、日本の公認会計士を目指すべきです。

逆に、以下のような目的なら、USCPAでも十分対応可能です。

  • 「とりあえず転職したい」
  • 「なんとなくキャリアの選択肢を広げたい」
  • 「Big4系や外資の経理・財務に転職したい」

👤 タイプ別:どちらを目指すべきか?

【大学生/社会人未経験の20代】

→ 日本の会計士でもUSCPAでもOK
時間的余裕があるので、将来のキャリアプランに応じてどちらも現実的に目指せます。

日本の会計士試験は勉強時間が非常に長くかかる一方で、得られる社会的信用や可能性は大きいです。大学生活の貴重な時間を会計士試験に費やすかどうか、慎重に考えてください。

【社会人(特に30歳以降)】

→ 基本的に資格だけでの転職は難しい

この年代になると、実務経験の有無がキャリアに直結します。資格を持っていても「実務経験がない」ことが転職のハードルになります。

そのため、まずは経理や税務などの実務経験を積むことを優先しましょう。そのうえで、合格しやすく、転職にも活かしやすいUSCPAを選ぶのが現実的です。


📌 まとめ:こんな人におすすめ

🔷 日本の会計士を目指すべき人

  • 将来的に税理士業務や監査業務で独立したい人
  • 監査法人でパートナーを目指す人
  • 時間的余裕がある大学生や若手社会人

🔶 USCPAを目指すべき人

  • 上記に当てはまらない人
  • 社会人として実務経験を積みつつ、資格でキャリアの幅を広げたい
  • Big4系や外資系企業でのキャリアを視野に入れている人
  • 短期間で資格を取得したい人

✍️ 最後に:資格はあくまで“道具”です

どちらの資格にもメリットとデメリットがあります。大切なのは、「資格を取ること」ではなく「資格をどう使うか」。

周囲に流されず、今の自分の状況や将来の理想から逆算して、納得のいく道を選んでください。

どちらを選んでも、しっかり学び、考えて行動すれば、必ずあなたの人生にとってプラスになります。

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